イギリスのベントレーが1929年に製造されたレーシングカーであるチーム・ブロワー(Team Blower)を世界限定12台のみ復刻させます。
日本車のような名ばかりの復刻ではなく、パーツ1つ1つを作成し職人によってハンドクラフトされます。
つまり、見た目は当時のチーム・ブロワーそのものになる予定であり、90年の時を経て現代に名車が復刻します。
安全性以外は当時のまま
出典:bentley newsroom
今回のプロジェクトで制作されるチーム・ブロワーは、ベントレーのオーダーメイド部門であるマリナーが手掛けています。
現存するチーム・ブロワーを分解し、パーツ1つ1つをスキャンすることでコピーモデルを制作しています。
また、ブレーキやサスペンションといった技術進化が著しい部分に関しても、当時のパーツを再現します。
驚くべきことに、工具などもチーム・ブロワー専用に作られ、マリナーの職人によってハンドクラフトされます。
安全性のみ現代の時代にフィットさせるべく変更点が加えられますが、その容姿は全く当時のままを保たれ復刻する予定です。
ベントレー Team Blower
出典:bentley newsroom
ベントレーチーム・ブロワーは1929年にティム・バーキン卿の依頼によって作られた4台限定のレーシングカーです。
ル・マン24時間耐久レースに参戦しバーキン卿の優勝を支えた名車でもあります。
復刻という文化
名車と呼ばれるような圧倒的な戦績やスタイリングを持つクラシックカーはいくつも存在します。
しかし、長い期間を経て現代で所有しようとすると、故障やパーツ不足などでクラシックカーは嫌煙される傾向にあります。
特に、日本では登録から13年経った車には増税制度があり、古い車は淘汰されてきました。
一方、ヨーロッパではクラシックカーは減税される例がいくつもあり、”良いものを長く使う”文化を持っているように思えます。
今回のチーム・ブロワーもそうした文化の1つなのではないでしょうか。
以前ご紹介したフェラーリ モンツァも同様のケースです。
新しいものばかりが注目される日本ですが、ヨーロッパのような文化が根付いてほしい限りです。