革靴の鏡面磨きって何？
出典：gazianogirling tumblr
読んで字の如く、上記画像のような鏡のようにピカピカな加工がされた靴を指します。
撮影者が靴に映り込んでいるのが分かると思います。
といっても、靴全体がピカピカしているのではなく、芯材と呼ばれる固い素材の入っているつま先とかかと部分をピカピカにする処理のことです。
革靴に光沢を出し、光のコントラストをつけることで立体感を生み気品や高級感を演出する効果があります。
また鏡面磨きは視覚効果だけでなく、革の表面にワックスでコーティングすることで傷や汚れから保護してくれる役割も果たします。
革靴の鏡面磨きって難しいの？
クリームでのシューケア作業とは異なり、少々コツのいる作業です。
失敗を恐れて、プロに任せる方も多いかと思います。
また、何度かトライしてみたものの、上手くいかないという方もいらっしゃると思います。
しかし、作業は単純ですので、あることを気を付けるだけで成功率がかなり上がります。
そのあることとは・・・放置なんです！
そんなこと？
と思う方もいらっしゃると思いますが、この放置が鏡面磨きにおいては非常に重要です。
特に、初心者は早く鏡面に仕上げたいと焦ることで、失敗を生んでしまっているケースがよく見られます。
今回は、そのような方々に向けて誰でも出来る鏡面磨きのやり方とコツをご紹介していきます。
また、鏡面磨きはクリームでのベース磨きが済んでいることと鏡面磨き用のワックスが必要です。
これらは下記記事で紹介していますので、参考になさってください。
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それでは解説していきます。
鏡面磨き簡単2ステップ
ステップ① ワックスを指で塗布
鏡面磨き用のワックスを指で塗布していきます。
この際、靴の芯材が入っている部分（固い場所）のみに塗布することを心掛けてください。
ヒント
芯材のない柔らかい部分に鏡面磨きを施すと、歩いた時の靴の変形によって形成されていた層が破壊されひび割れを引き起こします。
この作業を3~5回繰り返し、ワックスの層を形成します。
5回ほど重ね塗りをするとこのような感じなります。
ヒント
ここでは、冒頭に説明した”放置”が重要です。
ワックスが革に定着するのには一定時間かかります。
したがって、続けて2層目、3層目というように、厚塗りしても1層目を剥がす効果しかありません。
間を置くのが嫌いな人は、右足つま先→右足かかと→左足つま先→左足かかと→右足つま先…
というようにやっていけば能率的な作業ができます。
ステップ② ネル生地で磨き
ワックスを塗布し、5~10分”放置”したらいよいよ磨きの作業に入ります。
ネル生地をシワが入らないように指に巻き、指の面を少し水で濡らし、ワックスを少量つけます。
その指で細かい円を描くように、やさしく磨いていきます。
指に力を入れすぎると定着したワックスを落とすことにつながるため、やさしく磨くことを意識してください。
すると、上記画像にある魚の鱗のようなものが現れます。
あとはこの作業をひたすら繰り返すだけです。
次第に革が光って、磨いている指が映り始めます。
ヒント
自分の納得するところまで磨き終えたら、細かく円を描いていた動きを徐々に大きな円へと変えていき磨き跡をぼかしていくことで綺麗に仕上がります。
完成
完成。
磨き終えるとこんな感じです。
つま先に撮影者が映ってますね。
番外編 ロジックを考えよう
鏡面磨きをより論理的に解説します。
読むのが面倒な方はスキップしてください。
まず前提条件として、いくらスムースレザーとはいえ革靴の表面は凸凹しています。
モノが鏡のように光るためには、画像上のように平らで鏡面反射している必要があります。
一方、革靴の表面は画像右のような状況です。
鏡面磨きは簡単に言えば、画像右の凸凹をワックスで埋め、画像左のように平らに均しているだけです。
ワックス自体にラメのような輝く物質が入っているわけではありません。
したがって、指でワックス塗布する作業は前者、ネル生地で磨く作業は後者にあたります。
まとめ
いかがでしたか。
同じ靴でも格段に高級感が増す革靴の鏡面仕上げは、ダメージ保護の役割も担っており、鏡面仕上げをしない理由が見つからない程、メリットに富んでいます。
鏡面磨きは自分で施工するのは少々コツのいる作業で、初心者は失敗し億劫になる傾向にあります。
しかし、作業自体はたったの2つだけですし、ご紹介した”放置”ができれば初心者でも成功します！
また、鏡面磨きのロジックを理解すれば、1つ1つの作業の質も上がってくると思います。
ぜひこの機会に、鏡面磨きのセルフ施工に挑戦してみてください。
放置さえできれば間違いなく成功し、あなたの所有する靴が1ランク格が上がります。
以上、革靴の鏡面磨きのやり方とコツのご紹介でした！
